社会保険の全体像について

社会保険について解説します!

ご覧いただき、ありがとうございます。行政書士・特定社会保険労務士の佐藤です。

 

細かい知識ではなくざっくりとしたご案内となりますのでご容赦ください。

今回の記事・動画でわかること

 ☑社会保険とは何か?社会保障政策の重要な柱である社会保険制度がわかる!

社会保険に関するイメージ図

社会保険に関するイメージ図です。

それぞれの役割をざっくり説明します。共済組合制度や船員保険は除外しています。

 

第1階層 1・広義の社会保険とは?

→社会生活を営む上で、遭遇しやすい保険事故が生じた場合、払い込んだ保険料に応じて保険給付を行い、以って貧困に陥ることを防止する仕組み。

社会保険共通の概念として防貧機能があります。

また、我々『社会保険労務士』の資格の社会保険という部分の言葉には第2階層の労働保険も含みますので、上記の全体像の中の各制度に関する専門的な知識が要求されています。※私も比較的短期でしたが、合格までは血の滲むような努力をしたものです(*^^)v

 

第2階層 2・狭義の社会保険とは?

広義の社会保険から労働保険を除いた概念をいいます。現在は年金事務所という名称ですが、以前は社会保険事務所でしたね。この場合の社会保険事務所は労働保険を所掌していないので、狭義の社会保険事務所といえますね。狭義の社会保険は第3階層の4・年金、5・医療、6・介護に分かれます。

 

第2階層 3・労働保険とは?

労働保険は13・労災保険と14・雇用保険の総称です。

労災保険は労働者の業務上のケガ・病気・障害・死亡を保険事故と想定しています。

雇用保険は被保険者の失業を主たる保険事故と想定しつつも、失業に合わないような被保険者の教育訓練に対する給付や、被保険者の職業能力向上に取組む事業主に対して助成金制度を設けたりしています。

 

第3階層 4・年金、5・医療、6・介護について

説明を割愛します。年金も医療保険も被用者保険(健保と厚年)とそれ以外(国保と国年)に分かれます。

一般の方のいう『シャホ』『社会保険』は健保・厚年を指しますが、学問上、社会保険は第1階層・第2階層の社会保険であるため、誤用です。正しく言うならば『ヒホ』『被用者保険』あたりの名称が適切だと思いますが、伝わればいいので、いちいち指摘をして、わざわ嫌われるのは賢明ではありません。

第4階層 各保険制度の概要

各保険制度の概要です。

 

7・国民健康保険について

日本に住所を持つ74歳以下の方で、被用者保険に加入していない方が対象です。※在留資格『短期滞在』の方は対象外です。

想定している保険事故は、ケガ・病気・出産・死亡です。

健康保険と給付が異なる部分は、傷病手当金と出産手当金がないことです。国保には所得補償機能がありません。

国保の保険者(給付をする者)は市区町村又は職域の国保組合です。

 

8・健康保険について

会社勤めの会社員、一定程度の所定労働時間や所定労働日数のパートタイマー、それらの者の被扶養者が加入します。保険料は会社と折半です。保険料は標準報酬月額に基づき決定されます。想定している保険事故は、業務外のケガ・病気・出産・死亡です。被保険者に対して傷病手当金や出産手当金があります。業務上のケガ・病気・死亡は労災保険でカバーします。健康保険の保険者は協会けんぽ又は健保組合です。

 

9・後期高齢者医療制度について

75歳以上の方が対象です。想定している保険事故は、ケガ・病気・死亡です。保険者は後期高齢者医療広域連合です。こちらも健康保険と異なり所得補償機能があります。

 

10・国民年金について

年金というと老齢年金のみを想起しがちですが、我が国の年金制度が想定している保険事故は老齢・障害・死亡です。国民皆年金ですので、自営業や無職の方、学生の方も国民年金保険料を納付する義務があります。

 

11・厚生年金保険について

こちらも国民年金同様、老齢・障害・死亡を保険事故と想定しています。厚生年金保険料の中に国民年金保険料部分が含まれており、なおかつ保険料は会社と折半負担のため、年金額は国民年金のみを収めてきた被保険者よりも多くなります。

 

12・介護保険について

人間として尊厳ある暮らしをするために必要な支援(=介護)を受けるための保険です。40歳以上の方が保険料を納めます。

 

13・労災保険について

労働者の業務上若しくは通勤に起因した、ケガ・病気・障害・死亡をカバーします。保険料は全額事業主負担です。

 

14・雇用保険について

雇用保険は失業した被保険者に対して給付をします。失業する原因は会社都合か労働者都合かに二分されます。保険制度全般共通なのが自ら保険事故を起こした者に対しては、給付しない又は給付を制限する必要があるため自己都合退職の場合は給付制限90日&所定給付日数が減じられます。また、雇用保険の給付を手厚くしてしまうと、就業意欲を削いでしまうことから、給付は最低限の生活が営めるレベルの給付となります。

社会保障の全体像

参考までに社会保険の上位概念である社会保障の全体像を掲載します。

まとめ

国民の生存権を保障するために国家の政策として用意されている社会保障政策は非常に多岐にわたりますが、その中核を担う社会保険は防貧のため、非常に重要!!

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